ニュース
事務所宛の郵便物送付について
郵便事情により、事務所宛の普通郵便の到達が、大幅に遅延してしまうケースが発生しております。
緊急のご用件の場合、速達郵便やレターパック、書留郵便にて、ご送付いただくようお願い致します。
専門分野について
何かの分野(刑事事件、知的財産等)のみに特化して受任されいる法律事務所、弁護士の先生もいらっしゃいますが、
当法律事務所は、特に専門分野等はなく、ホームページに掲載している法律問題を中心に、その他の法律問題に関しても、適宜、柔軟に対応しております。
インターネット上に掲載されている情報について
法律問題に関して、疑問点や知りたいことがあり、インターネット上で調査をする場合には、ホームページ作成者の職業、氏名を確認してから、内容の信用性をご判断ください。
弁護士や学者などが作成しているものであれば、信用性ありと判断していただいて結構です。
職業や氏名が、不詳なものの場合、全てが不正確な訳ではありませんが、誤った情報が記載されていたり、ややピントが外れている場合がありますので、ご注意ください。
新型コロナ対策支援カードについて
新型コロナウイルスの影響で、主として経済的な面で、今後の生活に不安を抱えていらっしゃる事業者・個人の方向けに、静岡県弁護士会の永野海先生が、新型コロナウイルス対策支援カードを作成してくださいました。
支援制度の全体像が一読了解で分かる素晴らしい内容となっております。
ご参考までに、掲載いたします。
コロナウイルス拡大に伴う一律給付金について
- 国民は義務を果たさなければ、権利を要求してはならず、義務を果たさずに、権利を要求することは、恥知らずである。
- 義務を果たせない国民が、誰よりも強く責任を感じてしまい、自分には、権利などないのだと感じてしまう。
何となく正論のようにみえる意見です。今回の一律給付金の問題でも、あてはまるのでしょうか。
人は、みな生まれながらにして等しく尊厳を持っており、それを侵されない権利を持っています。
経済的・社会的地位に差があったとしても、この命題に変わりはありませんし、あってはなりません。
自粛要請、緊急事態宣言を受けて、生活上の不利益が全く無いという方は、おそらく極めて少ないでしょう。責め合うのではなく、寛容になるべきです。
「個人の尊厳」と「経済的な能力」はイコールではありません。一律給付の局面かどうかを問わず、最初に述べた正論のようにみえる意見はおかしいという感覚を持ちたいです。
一律10万円を給付することで、国民を分断せず一致団結していくという政府の方針に、賛成します。分断をしない給付の方法を実現させてください。
まだまだ問題は収束していません。減収した方への今後の経済対策を考えなければいけません。有効な対策の実現を望みます。
ハラスメント問題について
昨今、話題になっているハラスメント問題。
パワハラ、セクハラ、マタハラ、モラハラ、アカハラ……
多種多様な用語があるようです。
局面も職場、学校、行政機関、スポーツ、趣味サークル……
どのような場所においても発生しえます。
ハラスメント問題は、
被害者と加害者、個々人だけの問題としてだけ、
捉えるべきではありません。
社会的な問題として、規制や救済策が必要なのはもちろんですが、
発生した現場の責任者、監督者の方々は、問題が発生した場合、
事前・事後において、適切な策を講じていなければ、
種々の責任を問われかねません。
責任を持った対応が必要です。
このような議論をしていると、
「こんなこと言い出したら、何も言えなくなるし、何もできなくなる。」
と考えたり、感じたりする方が、いらっしゃるかもしれません。
そのような開き直りの考え方が、賢明であるとは思えません。
まず、当たり前の話ですが、
自らが、被害者の立場になったとしたら、
どう感じるか、想像しなければなりません。
少しの時間でも良いので、過去を振り返り、
これまでの関係性や環境に問題が無かったか、考えましょう。
今日から、今からでも、決して遅くはありません。
より良い関係・環境づくりを目指していただければ幸いです。
参考までに、最近拝読して、大変参考になった
(時間に余裕のある方は、是非とも購読をお勧めします)
書籍『職場のハラスメント』の一部を掲載します。
この書籍では、日本におけるハラスメント問題の概況・各種事例を解説し、原因や実態を分析しつつ、その対策を提言しています。
巻末付録の、「ハラスメント対策の10か条」には、ハラスメントの無い社会を実現するためのエッセンスが詰まっていると考えておりますので紹介いたします。
被害者、企業(事前、事後、相談担当者)、調査、行政機関のためのチェックリストとして活用できます。
なお、本文掲載については、著者と出版社の承諾を得ております。
【中公新書『職場のハラスメント』】
大和田敢太 238~243頁
巻末付録:「ハラスメント対策の10か条」
職場におけるハラスメントの防止・規制のあり方や、被害者の保護と救済について述べてきたところを整理し、10か条として提言したい。簡潔にするため、欠落している事柄もあろうが、ハラスメントの被害者やハラスメントをなくすために活動している人々の参考になれば幸いである。
ハラスメントの被害者のための10か条
- 被害を記録する、録音する、写真をとる。証人を探す
- 家族、知り合いや第三者に話を聴いてもらい、苦痛を理解してもらう
- 職場の人と話し、被害を伝え、孤立感を和らげる
- ハラスメントから離れる。防衛のため行動とハラスメントとの錯綜を避ける
- 上司、人事管理部門、労働組合に訴え、相談する
- 企業内のハラスメント手続きを活用する
- 二段階上の上司あるいは企業責任者に訴える
- 外部専門組織(被害者支援団体、弁護士、医療機関や公的機関)と相談する。外部の専門家の介入を求める
- 加害者への対応を求める(謝罪、処罰、人事異動、加療)
- 権利と救済のために行動する(心身のケア、労災の認定、金銭賠償)
企業におけるハラスメント防止のための事前措置10か条
- ハラスメント防止が企業の重要課題であることを明確にし、宣明する
- ハラスメントの防止を目的とする適切な措置など全般的な防止方針を策定する(定期的な実態調査、結果の分析・公表、個々の報告の定期的な見直しなど)
- ハラスメント防止策を継続的に実行し、その結果と課題を検証する
- あらゆるハラスメントを記録するための制度を設ける(外部的ハラスメントを含む)
- 労働者、従業員代表者・労働組合と協力し、実効的な防止活動を実施する。ただし、労働者の責任問題に帰してはならない
- 健康管理・医療関係者と連携する
- ハラスメントの原因ともなる労働組織の問題点を検討する(役割や仕事の配分における曖昧さや不均衡、紛争やストレス、不適切な目標設定など)
- ハラスメント防止のための管理職の役割を重視する(問題把握、紛争の管理、正常な経営慣行など)
- 労働条件に関する点検を強化し、コンプライアンスを厳守する
- 経営手法を検証し、従業員の結束と動機づけを重視し、自由に意見を言える職場にする。内部告発制度を適切に運用する
企業内でのハラスメント事後対応の10か条(使用者と人事管理部門の役割)
- 当事者(被害者、加害者と批判されている者、目撃者)の訴えに耳を傾ける。否認を避け、相談にのる
- 関係者との直接の対話により、被害や対立状況を緩和する
- 管理職や人事管理部門の合意により、加害者に警告し、ハラスメントを中止させる
- 記録作成と証拠保存のために労働者に助言する
- 事実関係を解明する
- 使用者・管理職の行動により問題解決する
- 被害者に専門家や外部団体(医療、社会福祉、法律、被害者救済団体や公的機関)の援助を紹介し、相談させる
- 厳正な対応を迅速に実行する(事実と責任が明らかになった場合には、被害者の救済策、加害者の処分、管理職の管理監督責任など)。対策が速やかになされないと、ハラスメントが拡大することがある
- 公平であるために、使用者は、管理職、従業員代表、労働組合や医師の協力を得て、すべての当事者の意見を聴かなければならない
- 再発防止策を講じ、ハラスメントの要因となる全般的な問題の解決策を検討する(組織、運営・管理手法、労働慣行あるいは労働内容など)。ただし、個別的なハラスメント問題の解決と経営方法や労働組織などに関連する普遍的な一般的な課題とを区別する
企業内の相談担当者のための10か条
- 従業員が信頼できる相談制度とルールが整備されている
- 相談員の権利や身分が保障される。守秘義務が課されている
- 相談員としての教育や研修、利用する設備、活動が保障されている
- 相談者の立場に寄り添って、訴えを真剣に聴く
- 訴えの内容について、否定的な意見を述べない、即断しない
- ハラスメントが継続している場合には、ハラスメントから離れるようアドバイスする
- 事実関係の確認のために、ハラスメントの記録と証拠提出の協力を求める
- プライバシーを保護しつつ、担当する部署と対応を検討する
- 事実関係を調査する組織への引き継ぎが保障されている
- 相談内容への企業としての対応が誠実にかつ迅速になされていることを確認する
ハラスメント調査のための10か条
- 調査メンバーの人選を配慮する(女性には、女性の担当、関係者の忌避など)
- 第三者の立場から、当事者(被害者・加害者・第三者)に公平に接する
- 調査の趣旨を明確にして、相手の同意を得る。信頼してもらう
- 客観的な事実を確認する。評価や処分を前提としない
- 調査がプライバシーを侵害したり、人格を傷つけたりしない(第二次ハラスメント)
- 聞き取りに際しては、相手の了承を得て、録音する
- 必要な資料の提出を要請する。調査内容の散逸や漏洩を防ぐ
- 聞き取り内容の文書化に際して、本人の確認をとる
- 調査結果を本人に説明するとともに、再調査の申立を尊重する
- 調査結果の評価について、別の担当者(部門)が行う
行政機関に求められる10か条
- 職場でのハラスメント問題を労働紛争として、総合的な相談窓口を明確化する(担当部門を細分化しない)。相談体制を強化する
- 科学的な実態調査を独立した第三者機関によって定期的に実施し、結果を公表する
- パンフレット作成やテレビスポットなどの広報活動を展開する
- 包括的なハラスメント禁止立法を制定する。検討委員会の設置などの準備作業において、被害者や民間の団体の参加を積極的に進める
- メンタルヘルス対策の中で、ハラスメントの実効的な規制と被害者救済を強化する
- 職場でのハラスメント規制の法制化に際して、以下の原則を明確にする
・ハラスメント禁止原則、規制と救済という立法趣旨を明確にすること
・ハラスメントの結果を重視し、定義を包括的に定め、限定的にしないこと
・被害者救済や保護などについて、実効的な措置を講じること
・施策の実施において、民間団体の役割を尊重すること
- 専門家を養成する。民間団体の活動を財政支援する
- 使用者に防止と救済のための計画策定を義務づけ、指導を強める
- 事件が発生した場合、被害者に対する保護の相談にのる
- ハラスメント対策事業を総合的に実施する組織を設立する
弁護士会名称変更
私が所属している「横浜弁護士会」は、2016年4月1日から、「神奈川県弁護士会」にその名称を変更します。
会名変更は、2001年から、3回提案されてきましたが、全て否決に終わっていました。
昨年4回目の提案にして、ようやく変更に決定となりました。
横浜弁護士会の名称は、120年余りにわたり使用されてきましたが、その歴史に幕を閉じることになります。
寂しくはありますが、今後とも神奈川県弁護士会所属の弁護士として、改めてよろしくお願い申し上げます。